マレーシアのエビ養殖池
今回は、数年前に視察に訪れたマレーシアのエビ養殖池の様子をご紹介したいと思います。
マレーシアではエビの養殖が盛んに行われており、バナメイエビといったスーパーマーケットで見かけるエビは下記のような養殖池で育てられます。
多くの池では写真の中央にあるような水車がついており、水の循環、酸素の供給がなされます。
(伝統的なマレーシアのエビ養殖池)
下記の養殖池はより集約的なタイプで、池がビニールシートで養生されており、水車の位置や水流を最適化することで池内の一部にエビの糞や脱皮殻や餌の食べ残しといったゴミや有機汚泥を集めポンプで吸い出すそうです。
大量の有機汚泥が発生しますので、池内を清潔に保ちエビの病気などを防止するうえで欠かせない作業だそうです。
(集約的なタイプの養殖池)
下記の写真は伝統的な素掘りのタイプの養殖池で、池内に有機汚泥が一定量堆積すると、池内を清潔に保ちエビの病気を防止するために、水が抜かれ、ホースの水で汚泥を池内から流しだします。
世界の水産養殖の90%が集中するアジアでは、養殖場の餌や糞で汚れた水が十分に処理されないまま川や海に流されて、海の汚染やマングローブ林の破壊が進んでいます。
一方で、この汚れた水には、微細藻類の成長に役立つ栄養が豊富に含まれています。
私たちは、その栄養を微細藻類培養へ有効利用し、経済的なインセンティブを確立することで循環型社会の形成と自然環境の保全を目指しています。