プロジェクト概要 Project
微細藻類の大量培養技術の確立による
持続可能な熱帯水産資源生産システムの構築
The Project for Continuous Operation System for Microalgae Production
Optimized for Sustainable Tropical Aquaculture (COSMOS)
養殖産業の急激な成長により、多量の汚泥や汚水が自然界に排出され生態系を破壊しています。これらの汚泥や汚水から栄養類を積極的に回収し、価値の高い微細藻類を大量生産することで、経済的インセンティブの獲得と環境保全を両立させる循環型システムの構築が可能となります。
物質
人の役に立つ
微細藻類を探す。
多様性豊かなマレーシアには未知の微細藻類がたくさんいます。このマレーシアの海や川、湖から微細藻類を採取し、増殖能力と有用物質生産能力が高い種類を見つけ出します。得られた微細藻類を培養し、有用物質の生産性が最大となる環境条件を明らかにします。
微細藻類をもっと成長
させるための物質を探す。
価値の高い微細藻類をたくさん増やすためには、人工的な栄養だけでは十分でなく、自然由来の栄養を利用する必要があります。そこで、森や池などの自然から微細藻類の培養に適した物質を探し出し、大量培養の効率的な生育・生産を行います。
微細藻類の生育に
適した環境をつくる。
微細藻類を大量培養する既存のリアクターは高価で、エネルギー消費量が極めて大きいです。さらに、熱帯域の強い光でリアクター内の水温が高くなり微細藻類は成長できません。そこで、リアクターを水面に浮かばせることで水温上昇を防止し、低コスト・省エネルギーで運転するリアクターの開発を目指します。
泥から栄養分を回収し、
海をきれいにする。
世界の水産養殖の90%が集中するアジアでは、養殖場の餌や糞で汚れた水が十分に処理されないまま川や海に流されて、海の汚染やマングローブ林の破壊が進んでいます。一方で、この汚れた水には、微細藻類の成長に役立つ栄養が豊富に含まれています。私たちは、その栄養を有効利用しながら、川や海をきれいに保ちます。
微細藻類の生育に
適した環境をつくる。
微細藻類を大量培養する既存のリアクターは高価で、エネルギー消費量が極めて大きいです。さらに、熱帯域の強い光でリアクター内の水温が高くなり微細藻類は成長できません。そこで、リアクターを水面に浮かばせることで水温上昇を防止し、低コスト・省エネルギーで運転するリアクターの開発を目指します。
微細藻類から人の役に
立つものをつくる。
微細藻類はバイオエネルギーとしての利用が期待されるほか、EPAやDHAといった付加価値の高い不飽和脂肪酸や、アスタキサンチンやβカロテンのような抗酸化物質を生産することが可能です。私たちはこれら有用物質を生産する微細藻類を新たな技術で培養し、健康食品・化粧品やエビ・魚の機能性餌料として利用していきます。
- 医薬品原料
- 化粧品
- サプリメント
- 飼料
- 餌料
ロゴに込められた想い
背景の青い球は地球を、その周りにある緑の球は、地球を支える微細藻類を表しています。そして、「COSMOS」の月の形の「C」と太陽の形の「O」は、マレーシアと日本が共に歩まんとする想いが込められています。
持続可能な
開発目標への貢献
2015年9月、国連本部において「国連持続可能な開発サミット」が開催され、2030年までに国際社会が協力して取り組むべき地球規模課題をまとめた「持続可能な開発目標( Sustainable Development Goals :SDGs)」が採択されました。
SDGsにおける17の目標のうち本プロジェクトは、目標12:「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」と、目標14:「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」に貢献します。